筋膜と筋膜リリース
本日ご来院の方が驚かれました。
今日来院された患者様、40代の男性の方です。
「首が回旋できない、左に向けない」とのことで施術させていただきました。 ただ触らせていただいた部位は首ではなく右手のひら 母指球=親指の付け根あたり手の甲、人差し指と中指の間あたりを触らせていただいたのですがそれだけでかなりの割合(ご本人いわく…7割)程度改善されました。
大変驚かれていたのですが、その理由として「まず首を触ってないでわなないか?」ということだったと思うのですが、問診時に「仕事でほぼ1日、パソコンに向かっています」と言われていたので、まず最初に手の動きを見せていただきました。 ポイントとして、首が向けなくなってしまった理由は、ずばり「首が原因ではなく、身体の動かし方に原因があった。毎日パソコンに向かわれているので指や腕が疲れられている」という2点。 なので、手を触って(首を触らず)首が楽になったのです。
筋膜…
ここで「筋膜」というワードが出てきます。手へのアプローチの後で胸の筋膜と腰のインナーマッスル(長時間座って手を使われているので判断しました)の施術で無事、首が向けるようになられたのですが、その後少し筋膜についてご説明させていただきました。その時にお話させていただいた内容がずばり「筋膜」なのです。
「筋肉は強く押し過ぎたり、もんだりしたらダメ?!」
筋膜についての説明はこの後に追々行いますが、まずは筋膜をどのように施術すれば首が回るようになるのかという説明となりますが、実は筋膜、強くおしすぎることはNGなんです。
「なぜダメ🆖なのか?」、「だったらどうしたら良いのか?」ということですが…
結論から言えば(当院では、)インナーマッスルや筋膜リリース 筋筋膜経線を用いたテクニックで施術」する必要があります。
もちろん、それぞれのバランスが大切です。
では、「なぜダメ🆖なのか?」ということですが、筋肉は筋膜という薄い膜でおおわれています。
料理をされる方は鳥のムネ肉等の鳥皮の直ぐ下にお肉との間に薄い皮があるのを見られたことがあると思います。それが筋膜です。筋肉はそんな薄い膜でおおわれています。その膜を必要以上に強く押したり、もんだりを繰り返してしまいますと筋膜にシワやたるみができてしまい、そのシワに引っ張られるようになり、結果、筋肉が固くなってしまいます。
元々肩こりや腰痛の原因の多くは、筋肉が血行不良を起こして固くなってしまってる訳ですから、その時は強く押されて刺激が筋肉に入れば、一時的に楽になったように思ってしまうのですが、次第に筋肉はどんどん固くなり、さらに強い刺激を求めてしまうという負のスパイラル、悪循環におちいってしまいがちになります。
なので、筋膜を強く押しすぎることはよくないのです。
筋膜リリース
最近 テレビTVや雑誌等で特集が組まれる「筋膜リリース」。本屋さんに行けば、筋・筋膜リリースの本も沢山出ているように、筋・筋膜リリースという言葉を見たり聞いたりされる機会も増えて来ていると思います。 実際当院で、私も 「この前テレビTVでこんなことしていた」 「筋膜って?、筋膜リリースってなに?」 と時々聞かれるようになりました。 ところが、皆さんお気づきになっておられないことが1つあるのです。 「何年も前から筋膜を用いて施術しているよ」とお答えするのがそれです。実は当院では 20年くらい前から筋膜を用いたテクニックで施術させていただいています。 ここ最近発見された全く新しい物ということではないのです。医学的 科学的な証明や裏付けが進むできた結果、今話題になってきたということかもしれません。
「筋膜リリース」と「筋膜はがし」
さて、施術における筋膜を用いたテクニックも沢山ありますが、その前に「筋膜ってなに?」ということと、「筋膜は身体の中でつながっている」ということへの理解が重要になります。 前述で首が左に向けなくなって来院された方の施術のことに触れていますが、「手を触って首の動きが変わる、腰が変わる」というのがまさに「筋膜」であり、「筋膜が身体の中でつながっている」ということの表れなのです。
では、「筋膜とは簡単にいえば」いったい何なのか。少々難しくなるところを簡単に1言で言い表すと、「筋膜」は「第2の骨格」と言われています。なぜかと言いますと、筋膜は筋肉を包んでいる膜というイメージが強くなりますが、実は内臓・血管や神経等全てのものを包んでいる膜になります。筋膜は筋肉をおおっているだけではなく、骨や筋肉・臓器や神経・血管などを結びつけて身体をまとめて内側から支える役目をもっています。そのおかげで、例えば心臓やそれぞれの筋肉も位置もずれてしまったり、場所も変わることなく一定の位置にとどまることができています。この役割が「第2の骨格」といわれる所以になります。
また、筋肉をちょうどラップで包んでいるかのような筋膜は、筋膜1枚で全てをくるんでいるのではありません。筋内は筋繊維といわれる細い糸状の組織からできていて、その細い糸状の繊維をバラバラにならないように、筋膜というラップでくるんで束にしています。その束をまた束にしてと言う繰り返しにより、一般的にイメージされる筋内の形となります。
そんな筋膜ですが、細かい細い筋繊維を筋内膜・筋周膜・筋外膜と別々の膜が層になって包んでいますし、また大きく身体全体を包んでいる筋膜もあります。よく例えられて、イメージしやすいのは、オレンジやグレープフルーツです。断面図(横から半分に割った図)をイメージされるとわかりやすいかもしれません。グレープフルーツの外側の厚い皮をむけば、その中には房があって、さらに房の中には小さな粒々が有りますよね。その小さな粒々も1つ1つが膜におおわれていますし、その粒々をまとめる役割なのが筋膜です。そしてまた房をまとめている筋膜が有るということになります。
なお、一般的に「筋膜」としてイメージされるものが、筋内を1つで全部をおおっている筋膜、それが「深筋膜」と呼ばれていて、施術でもよく使っている筋膜になります。
筋膜の重要な働きは
筋膜の重要な働きは「身体を動かす」ことになります。筋膜どうしは、接触してずれあうことで、身体を動かしています。しかし問題は、筋膜はとても柔らかでからまったり・癒着してしまったり・くっついてしまったりしやすいんです‼ 筋膜自体がコラーゲンで出来ていてその85%は水分です。その為水分が不足したり、同じ状態でじっとしていたり、長時間作業(パソコン・デスクワーク・スマホの使用)によって固くなってしまう性質を持っています。 例えば、筋膜が固くなって身体の動きが悪くなってしまうA・B・Cの③パターンに分けてみます。
パターンA
「筋膜が固くなる」 ↓ 「包んでいる筋内が固くなる」 ↓ 「身体が上手く動けなくなる」 ↓ 「血流やリンパの流れが悪い」 ↓ 「肩こりや腰痛になる」
パターンB
「筋膜が固くなる」 ↓ 「筋膜同士がスムーズにずれ会わない」 ↓ 「身体が上手く動けなくなる」 ↓ 「血流やリンパの流れも悪くなる」 ↓ 「肩こりや腰痛になる」
パターンC
「腕の筋膜が固くなる」 ↓ 「首の筋膜が固くなる」
いかがでしょうか。筋膜が固くなってから痛みになるまでの順番は大体上記のような変遷となります。逆に言えば「筋膜を上手く回復させれば」、「身体は楽になる」と言えるかもしれません。
筋膜の働きのポイント
改めて筋膜の働きのポイントを整理してみます。
①「身体をまとめる働き」
筋膜は臓器や筋肉を包んで1つのまとまりにして、ひとつずつがバラバラにならないように身体をまとめています。
②「身体を動かす働き」
筋膜は二重構造になっていて、それぞれがずれあいながら、動くことで身体のあらゆる部位を動かしています。
③「身体中につながっています」
①と②は前に説明していますので③の筋膜の働きについて書いてみます。 筋膜は身体中 いろんな所、全てに網羅されています。そしてそれはつながって働いています。身体中に張り巡らされたいろんなルートによっても身体は動き支えられています。筋膜は身体中をいろいろなルート、ラインをつくり、まるで帯や道でつながっているように見えます。例えば頭の後ろの方から肩、おへそ、骨盤、足を通して足の指先にまでつながっているラインもあります。また別のラインは足底から頭頂までの身体後面全体をつなぎ保護しているラインもあります。
前述の「筋膜が固くなる」と「身体の動きが悪くなる」という説明の際に少しふれたパターンC、これも頭の付け根あたりから首を通って親指等指先までつながっているライン、帯のようにつながっている道があるから、そのラインの施術によって動きが改善される可能性が高まるというのが、首ではなく、親指の施術を行った当院の判断だったのです。
筋膜を利用した施術
施術の際に「筋膜ってどんなもの?」と質問された時に「セーターやウエットスーツを着ていると思ってください」とお話することがあります。
セーターの袖口がシワがよってしまっていれば必ずどこかが、その分引っ張られた状態になりますよね。セーターの袖口が身体でいうと手の部分、引っ張らてしまった部分が首口・首の部分と言うことになりますので、「原因は手口に有り、結果首が固くなる」ということになります。
生活の中でも身体の中でも、手はすごく使う部分ですね。家事をされている時もデスクワークでパソコンを使われている時も、手は大活躍してくれています。上記の最初でお話させていただいた「首が左に向けない」と来院された方は、手のひらの母子球=親指の付け根辺りをさわると首が楽になられた‼と言うのは、この例えが一番よく示している例になると思われます。
筋膜は首から指先までつながっています。指を沢山使われたことで、指の筋膜が固くなり縮んでしまって首を引っ張ってしまった。その結果「首がまわらない」。やはりセーターの袖口と首口の関係と同じですね‼
「痛みの原因」
痛みの原因それはその痛い場所だけにあるのではなく、また筋肉だけにあるのでもなく、離れた所にある固くなってしまった筋膜に原因があるのかもしれないのです!! ですので、冒頭でお話した「肩こりは強くもんだりしたらダメ/NG」ということは、その痛みを感じる部分を強くもむことが原因の改善につながらない可能性がある(原因は他にある)こと、強くもむことで筋肉/筋膜にシワが寄ってしまうため逆効果の可能性があると言う2つの問題点を抱えていると言うことなのです。
当院での施術
姿勢をきれいにするのは元気な体作りの重要なポイントをしています。正しい姿勢は体の土台となります。その時の痛みをとるわけでなく、痛みを生み出さないきれいな体作りのお手伝い。そんな施術を目標にしています。
ぜひ来院ください。
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